最後は森内九段に詰みがあった!-NHK杯将棋トーナメント
しつこく将棋ネタの連発で。
先ほど「ブログ検索」でパソコンをいじっていたところ、
午前中に放送されたNHK杯将棋トーナメントの
「羽生 善治 四冠×森内 俊之 九段」は最後は
「先手の森内九段が詰みを逃がしての敗戦」
ということを書いているブログが。
そのブログには「▲6二金」「△同玉」の後に「▲5一竜」といけば
23手詰め(21手詰め?)で先手の勝ちとの一文が。
ただ、その後の変化は書いていなかったので、
「???????」
となり、押し入れから久しぶりに将棋盤を引っ張り出して、
1時間以上あれこれ駒を動かしていました。
もし「将棋ソフト」が手元にあれば秒殺で読むのでしょうが、
終盤だけはちょっとだけ自信がある僕の結論は
「感動した!」
ということで。そんなわけで、これから長々と書きます。
まず▲5二金と打った場面が「詰めろ」とのことでしたが、
これがどういう詰めろなのかがテレビを見ていた時には分からず、
盤面の前でもしばらく時間がかかりましたが、「▲6二金」「△同玉」の後に
「▲6一金で詰む」ということを何とか発見。
△9四歩の効果は、▲6一金の後に△7二王、▲5二竜、△6二桂合、▲同金の次に
△8二王と逃げた時に、9三の地点に逃げ道が出来ているために
詰まないという意味。
*午後10時追記
もう一度考え直してみると、△9四歩の場面でも、後手玉に詰みが生じていた気が…。
▲6二金、△同王、▲6一金、△7二王、▲5二竜、△6二桂合、▲同金、△8二王
まで進んだ後に▲7三角成といけば、
△同桂は▲6三金以下、
△同王は▲6三竜、△8二王、▲7二金、△9三王、▲8二銀、△8四王、▲7三銀不成、△9三王、
▲8四金以下(△8二王で△8四王でも▲7五銀、△同歩、▲7四金以下)
で詰んでいるような……。
以下の文章は、「△9四歩」が詰めろ逃れだったという前提で読んでください……
ここでは詰みはないので、▲2一飛車成と再び詰めろをかけたのが、
実は決め手でした(おそらく)。
△5一歩と受けて、そんなにこの2手の交換は大きな意味が無いように
思えましたが、実はこの△5一歩は受けになっていなかった……。
▲6二金、△同王の後、実戦では▲7三角成として王手をかけ続けたものの
詰まずに後手の羽生四冠の勝ちに。
実はここで▲7三角成とせずに▲5一竜と指していれば詰んでいた……(たぶん)。
ここは△同角の1手。ここで▲6一金、△7二王とした時に、
▲5二竜と入られるのが▲5一竜の意味。
以下、△6二桂合、▲同金、△8二王の後、▲5一金と角を取って竜で王手を
するのがポイント。
*午後10時追記
ここで△9三王と逃げられると詰まないのかも‥‥。
▲5一金の前に▲7三角成なら詰んでいるのかな?もう良く分かりません
戻って、「▲2一飛車成、△5一歩」の交換を入れた意味がここに出てくるわけで。
この交換が無いと、「▲5一竜、△同角」の手順も存在しないため、
同じように進んだ時に「▲5一金」と角を手駒に入れることが出来ないために
詰みが無いわけで。
とまぁ、結果的には、
「森内九段が詰みを見落として、勝ち(優勝)を逃がした」
ということになるのですが、しかしそれはあくまで結果的にであって、
あの30秒将棋の中、トップ中のトップの棋士でも誤るということは、
「人間 対 人間」
の対決ということで、非常に味わい深いものがあります。
NHK杯史上に残る名勝負だったと思います
「この局面で詰みがある」
と分かっていれば森内九段もすぐに発見したのでしょうが、
実際の将棋は詰め将棋と違って「詰むや詰まざるや」ですし。
もし解説が、終盤の読みに関しては人間ではないと評判の(?)宮田 敦史五段
だったら、解説の大盤盤面を身体で隠して聞き手の中倉さんに注意されながら、
ぼそりと一言、
「これは詰んでいます」
と言ったきり黙りこくって、放送事故になっていたのかも
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