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2008年3月 1日 (土)

過去のオリンピックのマラソン代表選考~男子編~

オリンピックのマラソン代表選考に関して、特に女子マラソンにおいては、
1992年のバルセロナの有森選手の銀メダル以降、前回のアテネの野口選手の
金メダルまで、4大会連続でメダルを獲得して期待が大きいこともあり、

「国民的な関心事項」

という表現も時々見受けられるほど、1980年代後半頃から、大きな関心を
毎回集めています(それ以前は、さすがに記憶が無いので分かりませんが)。

これは「世界陸上を含めて4つの大会で3人を選ぶ」という選考方法による
ところも大きいのですが、毎回のように「誰を選ぶのか?」ということで
世間の議論が白熱し、ときには選手本人にまで全く方向違いな「誹謗・中傷」が
及ぶという、ある意味、異常事態とも言える騒ぎになることもあります。

前回のアテネ、その前のシドニー、その2つ前のバルセロナはまさにそうでした。

そんな女子に比べると、男子は1992年のバルセロナでの森下選手の銀メダル
以降はメダルを獲得していないこともあり、女子ほどには注目されてはいませんが、
それでも毎回難しい選考となっています。

そんなわけで今日は、

過去のオリンピックのマラソン代表選考~男子編~

ということで(女子編は、来週の「名古屋国際女子マラソン」の直前にでも)。

タイム・順位・所属などを調べるのには「ウィキペディア」を最大限に活用しました。

だいたい、世界陸上=8月、福岡国際マラソン=12月の第1日曜日、
東京国際マラソン(男子)=2月の第2日曜日、
びわ湖毎日マラソン=3月の第1日曜日か第2日曜日、
という開催時期のはずです。

以下の文章中の「選考ではまず2人が決定し、残りの1枠が……」というのは、
僕の勝手な解釈も入っているので、あまり気にしないでください。

(選手の敬称は省略します)

●1988年 ソウルオリンピック

「12月の福岡での実質一発選考」のはずが、瀬古利彦(エスビー食品)が
ケガで欠場ということになり、方針転換。そして大騒動に。

福岡では、

優勝 中山 竹通(ダイエー) 2:08:18
2位  新宅 雅也(エスビー食品) 2:10:34
4位  工藤 一良(日産自動車) 2:11:36

という結果に。結局「中山、新宅は内定。あとは東京とびわ湖の結果を見て」と
なり、びわ湖で優勝した瀬古が代表に選ばれ、福岡で3番目の工藤が涙を呑む
形に。

ただし優勝とはいえ、瀬古のタイムは2時間12分台と、福岡の工藤よりも悪い
タイムだったため、批判がさらに高まりました。

福岡でのゴール後の中山選手が、「あなたがもし瀬古選手の立場だったら?」
というような半ば誘導尋問的な質問に対して、

「僕だったら這ってでも出ていたと思います」

というように答えた発言が、「瀬古よ、這ってでも出てこい」にすりかわり、
この「這ってでも出てこい」というフレーズは有名に。

オリンピック本番は中山の4位が最高で、メダルにはあと一歩届かず。

結局、「一発選考」の考え方はこの時限りで、この後は、
「世界陸上を含めた4レースで選考する」となりました。

●1992年 バルセロナオリンピック

前年の夏に東京で行われた世界陸上で、谷口浩美(旭化成)が金メダル。
代表に内定となり、残り2枠に。
この世界陸上で5位になった篠原太(神戸製鋼)も候補に

福岡では現在ホクレン女子陸上部監督の森田修一(日産自動車)が
2:10:58で優勝。

東京では2回目のマラソンの新鋭 森下広一(旭化成)が2:10:19で優勝。
中山竹通(ダイエー)が2:10:25で2位。
この大会は「新旧交代」を印象付けた、歴史に残るようなレースでした。

びわ湖では候補に上がるような結果を残した選手はいませんでした。

森下は文句無しで決定。残る1枠は「中山」「森田」「篠原」で争われて、
結局は中山に決定。「福岡で優勝の森田が内容では上では?」という声も
ありましたが、タイムと実績で上回った格好に。

本番は、森下が銀、中山が2大会連続の4位、
そして谷口が「こけちゃいましたぁ~」がありながら8位と、
全員が入賞という結果に。

ここが男子マラソンの絶頂期でしたねぇ。

●1996年 アトランタオリンピック

福岡で2:09:33で3位の大家正喜(佐川急便)、東京で2:08:50で4位の
実井謙二郎(日清食品)の2人はそれなりにすんなり決定。

しかし、あとは2時間10分を切った選手はいなく、内容も福岡、東京、びわ湖
ともに外国勢が上位を占めるという結果に。

「あと1人、誰を選べばいいんだぁ~?」

という困った事態になり、結局は実績も加味して、福岡で2:10:42で7位の
谷口浩美(旭化成)が代表ということに。

本番は、その谷口の19位が最高という、非常に寂しい残念な結果に。
前回のバルセロナが夢のようでした。

●2000年 シドニーオリンピック

前年の世界陸上で、佐藤信之(旭化成)が銅メダルで代表内定。残り2枠に。

福岡で小島宗幸(旭化成-先週の延岡マラソンで引退)が2:09:09で4位。
東京で犬伏孝行(大塚製薬-当時の日本最高記録保持者)が2:08:16で4位。
びわ湖で川嶋伸次(旭化成-現在は東洋大陸上部監督)が2:09:04で2位。

結局、残り2枠は犬伏、川嶋が選ばれ、結果的にはタイム順での選考に。
川嶋と小島はわずか5秒差ではありましたが、レースの内容的にも、
川嶋の方がよかったような記憶があります。

本番はそのベテランの川嶋の21位が最高という、アトランタに続いて
寂しい残念な結果に。

●2004年 アテネオリンピック

前年の世界陸上で油谷繁(中国電力)が5位に。その前の世界陸上でも同じく
5位ということで、「2大会連続で世界陸上の5位」は大きなポイントに。

そして福岡。その1年前に2:06:16の日本最高を記録した
高岡寿成(カネボウ)が大本命。しかし結果は、

優勝 国近 友昭(エスビー食品) 2:07:52
2位   諏訪 利成(日清食品) 2:07:55
3位  高岡 寿成(カネボウ)  2:07:59

となり、国近がほぼ確定に近い状況に。
2位の諏訪も「2時間7分台で、さらに高岡に勝った」ということで候補に。

東京では大崎悟史(NTT西日本)が2:08:46で2位に。
優勝したダニエル・ジェンガ(ケニア-ヤクルト)とはわずか3秒差。
ベストが2:06:16のジェンガに勝って優勝していたら、
さらに大きなアピールになっていたのでしょうが。

びわ湖では小島忠幸(旭化成)が2:08:18で2位に。優勝は、今年の大会にも
出場するリオス(スペイン)で、優勝タイムは2:07:42。
タイムで離されてしまったのが痛かった。

結局、国近は福岡の結果で文句なし。油谷も世界陸上での実績で選ばれ、
残る1枠は「諏訪」「大崎」「小島」の争いとなりましたが、結果的には
タイムの良かった諏訪が代表に。

小島忠幸は、前回の兄の宗幸と同様に、兄弟で「あと一歩」の結果に。
この小島忠幸と大崎が、明日のびわ湖に出るんですね。
4年越しの悲願は叶うのでしょうか。

アテネ本番は油谷が「またまた」5位、諏訪が6位という、
アトランタ、シドニーの結果から比べると大健闘の印象。

このアテネでは、優勝したイタリアの選手よりも、途中で沿道からの妨害に
あいながらも銅メダルを獲得したデリマ(ブラジル)の方がはるかに有名に。


以上ですが、この「世界陸上も含めて4つの大会で3人を選ぶ」というのは、
やはり選考を複雑かつ難しくしていますねぇ。

まぁ、これはいろんなところでずっと批判もなされていますし、
僕はこの選考方法は必ずしも悪いとは思っていないので、
(『良いか?』と聞かれると、『うーん……』と首を傾けたくなりますが)、
そこら辺はまた気が向いたら書きたいと思います。

やはりこの「オリンピック選考レース」というのは独特の緊迫感があり、
世界陸上を除いても、11月~3月の期間の日曜日にその緊迫感を、
「東京女子」「福岡」「大阪」「東京男子」「びわ湖」「名古屋」と6回も味わえる
というのが、4年に1回の楽しみでもあります。

明日のびわ湖、そして次週、高橋尚子も出場予定の3月9日の
名古屋国際女子マラソンと、「オリンピック選考レース」の残り2つの観戦を
満喫したいと思います。

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